長期サッカー&英語留学 望月昇選手のインタビュー
●オーストラリアでの半年を振り返って。
最初の1ヶ月めちゃくちゃ雨降ってたましたね。5月頭にチームが決まったんですが、それまではちょっとどうなるのかな?って思っていました。
それからはシーズンが終わる8月の半ばまでは語学学校とサッカーの毎日でした。僕の場合はオーストラリアに到着してすぐにチームが決まったんで良かったかなと。
●アマチュアカテゴリーへのチャンレンジ、そのなかでもトップリーグである地域のプレミアリーグに所属しているチュローラウルブに初日の練習で決まりましたね。その時の気持ちは。
チームが決まった時は早稲田大学に受かった時よりも嬉しかったです。
チームのオーナーから「次から試合に出るから来ていいよ」と言われ、チームのバックとポロシャツ、パーカーをもらったときは感動しました。
日本のアマチュアチームではそういうのはないので。インタビューだから言ってるんじゃなくて、正直に純粋に嬉しかったです。
●週4での練習(月・火・水・木)と週末の試合。プロに似たスケジュールでサッカーに取り組んでいましたが体力的にはきつくなかったですか。
逆に週に4日練習して、しかもフィジカル系のメニューだったんで、今までサッカーやってきて一番コンディションが良かった。試合に90分フルに出場しても疲れを感じなかったです。
毎週90分の試合にけっこう出してもらっていたのでコンディションは良かったですね。他の選手は試合に出てないとコンディション調整が厳しいと思うんですけど、週4日の練習と毎週試合だったんで落ちることはなかったです。
●チームには日本人が一人でしたけど、コミュニケーションの部分は問題なかったですか。
僕にとっては日本人一人の環境的が気楽で良かったです。他に日本人がいると気を使うので。
オーストラリア人のなかに一人だけだったので、実際にネイティブの使う言い回しだとか、サッカー用語の勉強になりました。試合中に指示される言葉なども実際の試合の中で聞いたり、使いながら覚えました。
もともと英語もそれなりに理解してたので、コミュニケーションの部分では問題なかったですね。スラングとはかしんどかったですけどね。
●日本のサッカーとオーストラリアのサッカーを比べてどうでしたか。
つきなみな言い方ですが、縦に速い、すぐに仕掛ける、といった印象を持ちました。
ボールを奪ったらFWに当てるか、裏か。そこからドリブル勝負が始まります。中盤で繋いで組み立てるというのはなかったですね。
僕はポディションがサイドバックだったのですが、オーストラリアに来る前のイメージだともっとクロスを上げるかなと思っていました。ですが縦に速いので、上がっていく時間がなく、あまりクロスを上げれませんでした。
●オーストラリアに来る前にアルゼンチンにいたとのことですがサッカーもやっていましたか。
サッカーはやってなかったんですが何人かのサッカー留学生と知り合いました。正直、アルゼンチンでプレーするのは厳しいですね。
オーストラリアならなら、例えば上に行く行かないにしても、とりあえず自分にあったレベルでプレーして、シーズン変わればトライアルが受けられます。
アルゼンチンなら、まず練習できるかどうかもわからない。留学生たちはたらい回しにされていましたね。試合でるとか、契約するとか、そういう状況になく待機状態の留学生が多かったです。それでも留学費用は払っていました。そういう留学生がアルゼンチンにはいっぱいいました。
南米だからかわかりませんが、約束をやぶるとか予定と違うことが起こる。そういったことが頻発していました。オーストラリアはそういうことがないですね。
サッカー選手は寿命が短いから、サッカーというとみんな南米いっちゃうけど、そこでサッカーが思うようにできずに1年間を棒にふるのはもったいない。それだったらオーストラリアいって確実にプレーしたほうがいい。しかも上のレベルにいけば給料も貰えるのでオーストラリアをお勧めします。
●オーストラリアでの生活はどうでしたか。サッカー以外の時間は。
半年しかいなかったのでサッカーと語学学校が忙しく、プライベートはあまりなかったんですけど、一緒に住んでたシェアメイトとビーチに行ったりもできたので楽しかったです。
アルゼンチンでは日本食がなかったのですが、シドニーはインターナショナルな都市で中華もあれば日本食もあり、日本食材も手に入るので食に関して困りませんでしたね。
●オーストラリア人の国民性、チームメイトはどんな人たちでしたか。
いい感じにフランクで、いい感じに真面目でした。日本人は真面目すぎ。南米だとオープンだけどデタラメなとこもある。オーストラリアはそこまでいいかげんでもないし、真面目でもない。だからすごい良い感じでした。
チームメイトも日本人がいきなり入ることで差別とかで揉めることはなかったです。逆に暖かく迎え入れてくれました。ほんと気持ち良くプレーできました。みんな良い人たちでした。留学の宣伝とかではなく本当にそう思いました。
●帰国後の現在は何をしてますか。留学経験はプラスになりましたか。
留学前に働いていたスポーツ系の会社でサッカー教室などをしています。
人にサッカーを教える仕事なので、日本とは違うサッカーを経験したことはプラスになっています。英語も話せるようになると仕事にも生きてきます。
日本には語学プラスサッカーの人材があまりいないので、スポーツ系の仕事には大きな武器になります。普通に英語を話せる人はいるけど、そこにサッカーがプラスされれば強いですね。
●オーストラリアに留学した理由を教えてください。32歳でなぜオーストラリアを選んだか。
高校を卒業して、あまりサッカーに打ち込むことができませんでした。大学サッカー部で続けないかぎりサッカーする環境がなかったんです。社会人のサッカーも人が集まらず、やりきることができなかった。
30歳を過ぎてオーストラリアに渡ったんですが、もっと早く行きたかった。働いてもいたのでなかなか踏み出せなかったです。それでもサッカーしたかったので体が動くうちにチャレンジしようと思いました。実際に30歳を過ぎてチャレンジしている方のブログを見て僕も覚悟ができました。
レベルは関係なく本気でプレーできる環境がほしかった。サッカーをやりきりたかったんです。
日本では難しいと考え海外を探している中、アマチュアでもできると情報があったのでオーストラリアを選びました。
実際にプレーしてみて、アマチュアの試合にも観客がいて、モチベーションが上がる試合ができました。日本ではできない経験です。中途半端に日本で社会人サッカーをやるより、充実したサッカーができました。
●日本人が世界にあまり出て行かないと言われているなか、世界に出て行ったほうがいい理由を教えてください。
当たり前ですけど日本では周りのほとんどが日本人ですよね。そのなかでずっと生きていけるなら行かなくてもいいと思うんですけど、これからの時代どうなるかわからないですよね。
海外に出て行けばたくましさもつくし、日本に居たら日本でしか通用しない能力しか身につかないし、日本で考えられている常識が絶対だと思ってしまいます。
世界には多様な考え方や価値観があるので、それを学びに絶対に海外に出ていったほうがいいと思います。。
日本人だけだと、空気ばかり読んで、なあなあになりやすい。
外国人は自分の意見を主張して交渉してなんぼという感じなので、そういう主張力というのもこれからの日本人は必要かもしれません。仕事においても海外とのつながりは今後絶対に増えて行くので国際感覚を学ぶ必要はありますね。
サッカーにおいても日本代表やJリーグで激しさがないとか言われているのも日本の国民性が影響していると思います。サッカー選手としても社会人としてもやっぱり海外経験は必要になってくるんじゃないでしょうか。
●最後に海外でプレーすることに迷っている選手にメッセージをお願いします。
オーストラリアに行ったからって僕みたいに満足する結果が得られる保証はないけど、やりたいと思ったらやるべき。
僕の性格はやらないで後悔するよりやったほうがいいと考える方なのでチャレンジしました。チャレンジしたから今の自分があると思えるし、多くの人たちとも出会えたので本当に良かったと思います。やる価値や理由を前向きに考えチャレンジしてほしいと思います。