オーストラリアサッカーチャレンジ 藤原弘樹選手の体験談
こんにちは、Hirokiです。
現在ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在しています。
僕は高校卒業後にオーストラリアのシドニーに留学し、語学学校、ファンデーション(進学準備コース)を経てシドニー大学に進学しました。
2011年に卒業後、日本に帰国して就職し、昨年9月まで勤めたのちワーキングホリデービザで再びオーストラリアに来ました。
このワーキングホリデーの目的はワーキングホリデー終了後にも滞在できるビザを取ること。
ということで、その可能性を少しでも高くするため、セカンドビザ確保へ来豪後1週間ほどでファーム(農場)生活を開始。
Northern Territoryで1か月、Tasmaniaで5か月ほど、Sandalwood、Apple、Blueberryなど様々なファームでの仕事を経験してきました。
そして現在はセカンドの申請に必要な仕事日数も十分に確保できたので、シドニーでホテルマンをしながら生活をしています。
ここからは本題であるサッカーの話にいきたいと思います。
オーストラリアサッカー
ファーム生活を終えてシドニーに戻ってきて2か月ほど経ったある日のこと、思ってもいなかったお話が舞いこんできました。
大学時代に3年間所属していたNSW NPL MEN’S 3に属するBalmain Tigers FCが、ゴールキーパーを探しているから行ってみないか、とのこと。
日本に帰国してからは仕事の都合などもあり、本格的にプレーすることはおろか定期的にもプレーしていなかったので、今滞在中にチームに入ってサッカーをすることはほとんど考えてもいないことでした。
そのためこのお話をいただいたときも、目的である今後のビザということを第一に思うとやはり仕事を優先した方がいいのではと考えました。
ただそれと同時にやっぱりサッカーをしたいなという気持ちも出てきました。
そこで仕事との都合がつくタイミングでトレーニングに参加させてもらうことにしました。
仕事もそうですが、僕自身も本格的にプレーしていたのは6年も前になります。
長いブランクもあり、たいしたパフォーマンスも期待できないですので、この段階では契約することはないだろうなというのが正直なところ大半を占めていました。
そうしてトレーニングに参加させてもらったのですが、実際に参加してみるといろいろ感じるものがありました。
まず本格的にはトレーニングしていなかったわりに、身体はわりと動きました。
トレーニング内容にも意外とスムーズについていくことができました。
そしてなにより、プレーしたいなって思うようになりました。
そうしてトレーニングに2回ほど参加させてもらったあと、チームのオーナーから運よく契約の話をいただきました。
このときまでプレーしたいなという気持ちとやっぱり仕事がという気持ちの間でだいぶ迷っていました。
契約してもいまの自分でたいしたプレーはできないだろうなというのも正直頭にはありました。
ただ、やっぱりプレーしたいという気持ちが強くなりました。
またいろいろ迷うなかで、どうしてオーストラリアに戻ってきたのかってことを考えたときに、仕事があって、サッカーができて、プライベートも充実させて、という自分が考える当たり前のようで当たり前ではない、でもそういう生活がしたいって思える、理想を実現させるチャンスが目の前にあるのに、それを自分から手放す理由はないなと思いました。
そうしてBalmain Tigers FCと契約し、2016シーズン最後までプレーすることになりました。
最下位争いをしていたチーム状況もそうですし、すでに移籍期間が終わっているなかでゴールキーパーのみ、ケガの場合の代替が認められることもあり、こうしてプレーする機会をもらえたことは本当にラッキーだったなと思います。
29歳という年齢でこういったチャンスをもらえることはそうないことですし、予定が安定しない自分の仕事の状況を理解した上で数回のトレーニングで契約したいと言ってくれたオーナーには本当に感謝しています。
またこのお話を持ってきてくれた豪州ソリューションズの宮下さんにも本当に感謝しています。
そうして契約後すぐに試合の出場が可能となったわけですが、やはりいきなりトップチームでプレーできるわけがなく最初の試合はU20の試合でプレーすることになりました。
その翌週もU20でのプレーとなり、トップでの出番を待ちます。
すると3試合目でついに、ゴールキーパーではめずらしい後半から途中出場でしたが、トップチームでの出場機会がまわってきました。
6年ぶりということもあり、とても感慨深いものがありました。
0-0の後半頭からだったので、まずは試合に入れるのかってところもありますし、それ以前にトップの試合のペースについていけるのかといったところもありましたが、そんなことをいっても復帰していきなり以前のようなプレーができるわけではないので、単純に今できることをやるしかないと割り切ってプレーしました。
この試合でチームは今シーズン初のクリーンシートで7試合ぶりの勝利。
最下位争いの中、僕が契約したタイミングとほぼ同じ時期に監督が交代し、少しずつチームが良くなってきていました。そのような状況でこうしてプレーする機会をいただき、その最初の勝利に貢献できたことは本当に良かったと思います。
また何より自分が試合にもスムーズに入ることができて、思った以上に身体も動くし、落ち着いてプレーをすることができたことは自分でも驚きでした。
そういったこともありこの試合はとても印象に残っている試合のひとつです。
その後、シーズンは残り5試合でしたが、すべてスタメンで試合に出させていただきました。
上位との2試合では実力の差を完全に見せつけられ悔しい思いもしましたが、そのほかの3試合で2勝1分けと最終的に順位をふたつあげてシーズンを終えることができました。
前半0-2で折り返したところ、後半に4点を取って逆転勝利をおさめた最後の試合は、シーズンの終わりが近づくにつれて良くなってきたチーム状況を象徴するようなものだったと思います。最後に勝って終われてほんとに良かったです。
そのほかにもバスで片道4時間かけてアウェーゲームにいったりもしました。
本当に印象深いシーズンとなりました。
シーズンを終えて
シーズンを終えてみてまず思うのは、単純にチャレンジして良かったなってことです。
もちろん以前のようなパフォーマンスが出せたかといえばそんなことはなく、難しさを感じる部分も多々ありました。
ただ想像していたよりも身体はよく動きましたし、自分が期待していた以上のプレーはできたのかなって思っています。
そしてなによりガチガチのサッカーは楽しいです。
試合に勝ってロッカールームで勝利を分かち合い、バカ騒ぎをするのは本当に最高です。
勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。
そういったことを感じることができる素晴らしさを思い出させてもらった気がします。
とりあえず今シーズンがんばろうと思ってプレーしてきましたが、プレーしているうちに来シーズンへの欲も出てきました。
実際に来シーズンに契約してくれるチームがあるかもわからないですし、僕自身がどういった状況におかれているかもわからないですが、来シーズンもプレーする機会に恵まれれば、またがんばりたいと思っています。
以前、FCニッポンのキーパーとしても活躍していた藤原弘樹選手
シドニー大学時代にフットサルでも活躍