オーストラリア専門サッカー留学・セミプロトライアル
2022-11-04

海外サッカー留学のその後 犀川選手セカンドキャリア体験談!

犀川稔久セカンドキャリアインタビュー

オーストラリアの入国規制が撤廃され、サッカー留学に関するお問い合わせも増えてきました!

すでに来シーズンにチャレンジする選手も決まりワクワクが止まらない、どうも小林です。

今回またあの男が登場します!

そう、最速で最高の結果を残し続ける犀川稔久選手です!

サッカーは引退していて現在はプロ選手ではないので、社会人として良き友人として犀川さんと呼ぶのが正しいですね。
(実際はトシと呼んでいますが。笑)

前回に会ってからコロナもあり約2年ぶりの再会です。

「かっ、かっこいい・・・」

私がインタビューを読んだ最初の感想です。

社会人としてセカンドキャリアをどう過ごしてきたのか、犀川さんのインタビューをお楽しみください!

【犀川選手の記事一覧】※古い順

→犀川稔久選手 NSW State League – Bankstown United FCと契約
→NSWステイトリーグ年間最優秀選手に犀川選手が選出!
→NPL2 Canterbury Bankstown FC 犀川選手の苦悩とは!?
→NPL3ファイナルで優勝!結果を残し続ける犀川選手のインタビュー!
→犀川選手が本帰国!オーストラリアサッカー留学後の進路は?


Q.日本に帰国してからのキャリアを教えてください。

日本に帰国後、人材領域の最大手R社にて営業職に従事していました。

そこでは、既存顧客の採用課題の解決策や求める人物像を明確にし、そのためのソリューションとしてナビサイトの活用などの提案をしていました。

サッカーに関しては、怪我で引退をしてからは日本で全くボールに触ってません。(太りました。笑)

R社に入社後、8月の首都圏MVP、上半期の『全国最優秀新人賞』に選ばれ、僕の部署からは約10年ぶりの選出ということで、多くの方からお祝いの言葉をいただきました。

その実績が評価され、入社後最短でチームリーダーを任せてもらい、責任をもって働かせていただきました。

その後は紆余曲折をしながらも、経営について多くを学ぶため、経営コンサルタント会社に転職することを目指しました。

転職の際の会社選びの軸は、「経営に関して多くのことが学べる事」「人材(採用)の部分のみではなく財務、人材(組織として)、マーケティングなどに携われること」と決めていました。

そしてもちろん年収の部分もありました。

転職の結果、ステップアップとして全ての希望を満たす会社に就職することができ、非常に満足しています。

転職後の会社でも、社内テストを入社2週間(3か月後合格目標)でクリアし、独り立ち後の仕事も高評価をいただき、再度最短でプロジェクトリーダーとして約7億円規模のプロジェクトを任せていただきました。

直近では、社会保険労務士の試験を独学でクリアし、令和4年度の合格率5.3%の国家資格を取得することができました。

帰国後の約二年間で、多くの経験、変化があり、かなりのスピード感をもって様々なことにチャレンジすることができたと思います!

Q.日本で仕事に取り組むかなで、オーストラリアサッカー留学の経験が活きたことはありますか?

『目標設定、自己管理能力、主体性、狂気のスイッチを入れること(笑)』

プロサッカー選手として少なくないお金をもらいながらプレーすることで、自身の結果に責任を持つようになりました。

毎週のサッカのー試合にベストのコンデションをもっていき、当日にベストパフォーマンスを発揮することは、社会に出た後も目標達成までの道筋を描き、やりきるための重要な経験となりました。

海外では全て自分で管理しなければいけませんし、主体性を持って行動しなければチャンスは遠のいていきます。

Q.逆にオーストラリアサッカー留学がマイナスに働いたことはありましたか?

もともとの性格なのかもしれませんが、組織の手順や組織人としての考え方が弱かったなと思います。

「自分で考えてガンガン進んで結果を出す。」ことよりも組織人として、上司の命令を聞くこと、手順をしっかりと守ること、組織図を意識して、自身の役職や役割を守ることなど、組織人として必要な考え方を守ることができていなかったと反省しています。

オーストラリアでは、全くの反対で、自身で考え行動し、現状をより良くするために努力し、交渉し、結果を残してきたので、サッカー選手と会社員(社会人)の違いになじむのに苦労しました。

Q.セカンドキャリアに進むにあたり、オーストラリアサッカー留学で得ておきたい経験やスキルはありますか?

英語の資格は取得したほうがいいです。(少なくともFCEレベル)

サッカーの挑戦で「サッカーを頑張っていました!」だけでは、社会でも通用するのかと疑問に思われてしまうこともあります。

なぜなら「サッカーは好きだからできたのではないか?」と企業の人事担当に感じられてしまうからです。

「サッカーが好きだから、辛い練習も怪我も乗り越えてこられたのではないか。」

「それが仕事となって、嫌なことでも再現性があるのか。」

「課題にぶつかった時にどのように乗り越えてくれるのか。」

人事が気にするポイントは良くも悪くもここです。

僕の場合、英語の資格を持っていたことが有利に働いたと考えています。

「苦手で全く分からなかった英語の勉強でも結果を残せた。」

「目標を達成するために必要なことを、目標から逆算して行動しやり切れた。」

サッカー以外のことでも、この様な目に見える実績が自身の体験として語れるようになっていれば、帰国後に職に困ることはないと思います。

逆にサッカーだけをやっていたとなると、帰国後に職探しで苦労する可能性もあります。

自身の行動に一貫した軸があり、その動機が明確で企業(仕事)でも再現性があるのか、ここを考えておくといいと思います。

Q.オーストラリア社会から日本社会へ生活様式が変わって苦労したことはありますか?

特にありません!

強いて言えば、英語に触れる機会が少なくなってしまったので、日本で英語学習を継続する大変さを感じました。

Q.オーストラリアでサッカーを続けていれば上のカテゴリーに行けたかと思いますが、就職を選び帰国したことに後悔はないですか?

全くありません!

僕のサッカー人生は怪我の連続で、怪我のタイミングも絶妙で、いつもあと一歩のところが届かなかったと感じています。

ですが、その経験は今に活かされていると実感しています。

逆にサッカーをやめてからの人生は、あと一歩の勝負を毎回ギリギリ取れています。

運がいい流れがいいと感じることが本当に多く、僕はサッカーの神様にはとことん愛されてなかったのかなと笑ってしまいます。

家系的にもビジネスや学問で成功している方が多いので、先祖に『お前はサッカーじゃない、早くこっちに来るんだ』と引っ張られていたんじゃないかとさえ思ってしまいます。(笑)

サッカーを続けていたとしても、幸せな人生があったと思いますが、サッカーをしていない人生も本当に多くの感情や経験を与えてくれるので、今はとても幸せに感じています!

Q.海外サッカーに本気で取り組むことで得られた重要なことをひとつ上げるとすれば何でしたか?

『自分の限界を超えること』

一つ上げるとしたらこれですかね。(笑)

自分の実力やサッカー以外でも、体力や可能性、知力や人とのかかわり方。

様々なことに自分自身で何となく感じているリミット、限界点があると思います。

何度も挑戦を重ねることによって、そのリミットを自分の意志で外すことができるようになった気がします。

「目標を決める時・決めた後」に限界を超えないと達成できないような目標だと感じた時には、自分の意思でこのリミットを外すことができました。

ゾーンに入るっていうような感覚です。(これが先ほど回答した「狂気のスイッチをいれること」です。笑)

結果として、自身で決めた目標、会社から与えられた営業目標はすべて達成してきています。

R社の高い営業目標やKPI(業務達成のための指標)を一度もショート(未達成)したことはありませんでした。

「大概のことはできる」といった確信のようなものが生まれ、それが自信として自分をさらに押し進めてくれます。

この限界点を超える経験を、何度自分で決めてできるか、その積み重ねが今の自分を作ってくれていると信じています!

Q.今後の日本での夢や目標を教えてください。

今後の目標は、事務所経営者として、多くのことにチャレンジしていくことです!

兼ねてからの目標・夢であった「親の事務所を引き継いでいくこと」「さらに大きく組織として拡大させていくこと」に取り組んでいくことができます。(社労士を取得することができたので)

私個人としては来年8月の中小企業診断士を必ず取得し、さらに事務所の可能性を広げていきたいと考えています。

法律家、士業、事務所運営を通して、サッカー選手のセカンドキャリアのロールモデルとなれるように、自分自身の成長を止めずに、走り抜けていきたいと思います!!

サッカー選手引退後の人生でも結果を残し活躍していくことが、少しでも海外サッカーにチャレンジしようと考えている選手たちへの後押しになることを願っています。

Q.最後にサッカーで海外にチャレンジしようと考えている(現在している)選手にメッセージをお願いします。

オーストラリアでの経験や本気でチャレンジしたことによって得られる経験は、日本社会でも必ず役に立ちます。

僕はオーストラリアにチャレンジした三年間が人生の分岐点であったとさえ思っています。

その理由は先に述べたように、自分自身で目的・目標を決め、何度も本気で挑んだ経験は、今後の長い人生の大きな財産となるからです。

短いサッカー人生。サッカーに関わりながらその後の人生も食べていけるのはほんの一握りです。

日本にいてサッカーを捨てきれず社会に出ることに躊躇している学生や、プロを目指して本気で取り組んでいるけれども漠然とした不安を感じている学生は、思い切ってチャレンジしていいと思います。

新社会人として得られることと、オーストラリアサッカーに本気でチャレンジして得られることに優劣はありません。

あるとすれば、自分が本気でチャレンジできること。

自分で将来のことを考え、そこに向かって本気でやりきることができるか、できないか。

どんな環境にあったとしても本気で挑戦できる選手は、将来的には何かしらの結果を残すことができる人材になれると確信しています!


海外サッカー留学で何が得られるのか。

さらにはサッカーで何を得られるのか。

兼ねてよりサッカーは人生の縮図と考えているのですが、まさに犀川さんはサッカーを通して学んできたことを、人生や仕事に応用し結果を出し続けています。

「サッカーは人生の縮図」その証明をしてくれていると勝手に感じています。

また、日本ではなく海外という環境の中で、その意味は色濃く表れたのではないでしょうか。

犀川さんと話していて感じるのは「本質を掴む力が高い」ということです。

相手の話していること(求めているもの)の意味をよく理解し、「表面上ではなく本当は何が重要なのか」を捉えるのが得意なのだと思います。

海外サッカーに本気で取り組むことで、様々なことに思考を巡らせ「本質を掴む力」という自身の資質をさらに向上させたのかもしれません。

会うたびにバージョンアップしている犀川さんにまた会えるのを楽しみにしています!

私も負けずとバージョンアップせねば。。