オーストラリア専門サッカー留学・セミプロトライアル
2019-04-16

現実を見るか夢を追うか!? 安真也選手独占ロングインタビュー!(後半戦)

NPL1 安真也インタビュー

安真也選手の独占ロングインタビュー後半戦です!

前半戦をまだ読んでいない方は下記リンクから是非!
NPL1 Sydney Olympic FC 安真也選手独占ロングインタビュー!(前半戦)

『現実を見るべきか』、『夢を追うべきか』、安選手が思うこととは!?

では後半戦どうぞ!

小林:
ここで少しサッカーから離れますが、英語はどうですか?

安:
正直、最初は英語も学びに来ましたが、全然勉強してなくて、日本人とよく遊ぶのであまり上達していませんね。笑

サッカーに関しては、ミーティングやチームメイトとの試合中のコミュニケーションは問題なくこなしています。日常生活の方が逆に問題ありますね。笑

小林:
日常生活の方が問題あるのも面白いですね。

安:
文法とかぐちゃぐちゃで。笑

チームメイトとかは、単語をつないで話しても理解しくれています。自分が話せないの知っているので。

知らないオーストラリア人といきなり会話しろと言われても、聞き取れても話すことは難しいですね。耳はもう慣れているのである程度は理解できますけど。

小林:
試合後のインタビューも英語で答えていましたね。

安:
知っている単語をならべただけでどうにか乗り切りました。サッカーに関わることなら最低限はいけます。

小林:
英語力も大切ですが、その他、クラブと契約するのにどういったところが必要になりますか。技術面やメンタル面などでアドバイスがあれば教えてください。

安:
例えばウーロンゴンなんかでは、初めて行った時にレベル低いなと感じる選手もいると思いますが、天狗にならず、「俺はできた」とか思わずに、先ほども言いましたが、チームや監督が求めてることを理解してプレーすることですね。

監督やチームで主力になる選手とコミュニケーションを取ることも重要です。コミュニケーションが取れていればトライアル中にパスも回ってきますし、プレーしやすいと思います。

いいポジションにいてもパスが回ってこないことも多いので、そういう工夫も大事ですね。

小林:
オーストラリアサッカーはフィジカルと言われていれ、フィジカルに対してスピードとテクニックで交わせばいいという考え方もありますが、実際にコンタクトを100%避けることは難しいと思います。やはりオーストラリアで評価されるにはコンタクトプレーも必要ですか。

安:
そうですね。自分はフィフティーフィフティーのルーズボールとかは、とれなくてもガツンと当たりにいくようにはしています。

あとは、一歩でも早くポジションに入り、しっかり構えるように意識しています。そうすれば倒されたり負けることもあまりないので。

本当に体が小さくて交わしていきたい選手であれば、相手と相手の間で受けるとか、動き出しを早くするとか、フリーで受ける工夫が必要ですね。ポジションにもよると思いますが。

あと、フィフティーフィフティーのルーズボールの話ですが、奪えなくてもしっかりいかないと評価は下がります。「あいつは戦えない」と思われるとやはり評価されないですね。

怪我をしないように上手くやりながら、「しっかり奪いにいっています」というのは見せておかなくてはいけないです。

小林:
日本人は、ある程度までは寄せるけど手前で止まることが多いと思います。ディレイする場面ではいいと思いますが、オーストラリアの選手からはどう見られますか。

安:
ディレイする場面では問題ないと思いますが、オーストラリアの選手からしたら、もうちょっといってほしい場面というのが結構あると思います。日本人が考える間合いとオーストラリア人の考える間合いが違うので。

ルーズボールとかも、簡単に相手に拾わせるのではなくて、スライディングしてみたりとかダイナミックに見せることも必要ですね。

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小林:
オーストラリア以外の国も含め長い間、海外サッカーにチャレンジし続けてきて、オーストラリアでは今期からはサッカーだけで生活できるほどになりましたが、サッカー選手であり続ける原動力は何でしょうか。

安:
大学卒業後にJリーグのテストを受けてダメで、一瞬サッカーを辞めようとしたのですが、仲間から声を掛けてもらい、とりあえず地域リーグでサッカーを続けていました。

続けるうちに「どうせやるなら真剣にやりたいな、でもお金もらえないと意味ないな」と考えるようになり、バイトしながら日本のアマチュアでサッカーしていてもやる意味はないなと自分は思っていて、早くサッカーを辞めないと社会に出るというか、正社員で会社に入るのが厳しくなるとも考えていました。

その時は海外を知らなくて、ある時初めてチームメイトの先輩が海外で、それこそオーストラリアでプレーしていることを知って、海外ならお金をもらってプレーできるなと思い日本を飛び出しました。

海外に出始めてからは、チャレンジすること自体が面白いと思うようになりました。

オーストラリア以外の国でもサッカーで給料をもらっていましたが、給料の未払いがあったり、足りない分は日本に戻ってきた時にバイトしたり苦労もありました。

でもチャレンジは辞められなかったですね。

オーストラリアに来たときは辞めることを想定していましたが、チャレンジして上手くステップアップしていくとまた続けたくなり、結局はサッカーが好きでサッカーでチャレンジすることが面白いんですね。

それが続けられている自分の原動力です。

ですが、それとは逆の気持ちも正直あります。

サッカー以外に、次に何をしたらいいのかわからない怖さもありますね。

でも自分がそう悩んでいると、サッカーが上手かったのに辞めた人や、サッカーをやりたかったのに辞めて仕事している周りの人からは、自分が羨ましく思えるみたいで、ここまで続けていると「やりきれ」って応援してくれる人が大勢います。

好きなことでお金を稼ぎ生活するというのは、そんなに簡単なことではないと思うので、この年齢まで続けられているのであれば、やれるところまでやった方が将来後悔しないかなと思っています。

ここまで続けられているのは、家族を含め周りのサポートしてくれる多くの人たちのおかげで、自分のためでもありますが、ちょっとでも長くプレーすることでみんなが良い影響や良い情報を受け取ってもらえたらという想いもあります。

自分の周りでも大学を卒業してサッカーを辞める選手も多いので、自分が海外とかでトップレベルではなくても、このレベルでも「これくらいのお金をもらってサッカーができる」とか「夢を追える」とかの情報が少しでも出せれば、サッカーを諦めない新たな道を示すことができるのかなと思います。

自分が活躍して情報を発信して、一人でも多くの選手がサッカーを続けてくれれば嬉しいですね。

小林:
素晴らしい考えですね。すでに安選手はひとつのモデルケースになっていると思います。

安:
自分も上手いわけでもなく、名門出身でもなく、トップレベルでやってきたわけでもなくて、そういうなかでここまで続けて、諦め悪く続けている部分もありますけど、今こうやって最終的にはサッカーだけで生活しているので、みんなもやればできると思います。

日本は自分より上手い選手ばかりなので。

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小林:
最後の質問になります。現実を見るべきか、夢を追うべきかという議論はどの分野にもあると思いますが、今まで多くの葛藤があったなかで、サッカーの道を選択して歩んできた安選手が今までの人生について思うことはありますか。

安:
自分は今、サッカーを続けてきて良かったと思っています。

大学卒業してサッカーを辞めて就職してても、それはそれで正解だと思っているかもしれませんが、今実際サッカーの道を選んで本当に良かったと思っています。

もちろん、会社員として働くことも、周りの働いている人たちも、それはそれですごく尊敬しています。

知り合いには会社を設立して活躍している人もいます。

サッカーの場合は、年を取ってからまたやろうとしてもできないので、それこそ今しかできないことなんで、自分はサッカーを選びました。

言い訳で使うこともありますが、多少社会に出るのが遅れても、会社を選ばなければ若いうちなら正社員になるのも難しくないので、ある程度期限を決めてチャレンジするのはいいと思います。

自分が何を求めるかが重要だと思います。

サッカーで稼げなくても続けたいほど好きであれば、夢を追った方が後悔は残らないでしょうし、先ほど言ったように、後悔して自分を応援してくれる人たちも多くいるので、やはり後悔の残らない道を選択するのがいいですね。

好きな彼女がいて、結婚したいという気持ちがサッカーを上回るのであれば、それは会社員として働くという選択もいいと思います。

自分を客観的に見てしっかり判断、決断したのならば、サッカーを辞めても後悔はないだろうし、続けても後悔はないと思います。

小林:
自分自身の責任の上でしっかり選択していけば、どんな道に進もうと正解だということですね。

安:
自分は直感も大事にしています。迷ったときなどは直感を一番の判断材料にして決断するようにしていますね。

直感で感じたことを客観視して、やはりそれが正しいと思ったら行動します。

直感と客観的な思考のバランスが重要です。

客観視はサッカーにおいても大切だと思います。

自分がどこまで上を目指せるか客観視できれば、今ここのレベルが合っているのかとか、さらにはサッカー続けていることが正しいのかというのも見えてくると思います。

「自分はできた」「得点もとった」でも契約できなかったときに「理解できない」「自分はこのレベルじゃない」と主観的に考えるのでなく、契約できない理由が必ずあるので、自分の足りなかったところを客観的に考えるのが必要です。

メッシみたいにずば抜けたスキルがある場合はどこのチームも取るので、契約できなかった理由をしっかり考えることですね。それが現実なので。

現実か夢かは、働くかサッカーを続けるかだけではなく、サッカーの世界にもあると思います。

小林:
現実に置かれているレベルとチャレンジしたいレベルの差を客観的に捉えて、その差を埋めていくことが重要ですね。

安:
はい。そうやって少しずつステップアップしていければいいと思います。

小林:
本日は、長い時間インタビューに答えていただきまして、ありがとうございました。安選手の言葉が多くのサッカー選手の力になると思います。引き続き安選手に注目し応援していきますね!

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